アモス書1-3 ; 黙示録6

アモス書

第1章

1:1テコアの牧者のひとりであるアモスの言葉。これはユダの王ウジヤの世、イスラエルの王ヨアシの子ヤラベアムの世、地震の二年前に、彼がイスラエルについて示されたものである。
1:2彼は言った、
「主はシオンからほえ、
エルサレムから声を出される。
牧者の牧場は嘆き、
カルメルの頂は枯れる」。
1:3主はこう言われる、
「ダマスコの三つのとが、
四つのとがのために、
わたしはこれを罰してゆるさない。
これは彼らが鉄のすり板で、
ギレアデを踏みにじったからである。
1:4わたしはハザエルの家に火を送り、
ベネハダデのもろもろの宮殿を焼き滅ぼす。
1:5わたしはダマスコの貫の木を砕き、
アベンの谷から住民を断ち、
ベテエデンから王のつえをとる者を断つ。
スリヤの民はキルに捕えられて行く」と
主は言われる。
1:6主はこう言われる、
「ガザの三つのとが、
四つのとがのために、
わたしはこれを罰してゆるさない。
これは彼らが人々をことごとく捕えて行って、
エドムに渡したからである。
1:7わたしはガザの石がきに火を送り、
そのもろもろの宮殿を焼き滅ぼす。
1:8わたしはアシドドから住民を断ち、
アシケロンから王のつえをとる者を断つ。
わたしはまた手をかえしてエクロンを撃つ。
そして残ったペリシテびとも滅びる」と
主なる神は言われる。
1:9主はこう言われる、
「ツロの三つのとが、
四つのとがのために、
わたしはこれを罰してゆるさない。
これは彼らが人々をことごとくエドムに渡し、
また兄弟の契約を心に留めなかったからである。
1:10それゆえ、わたしはツロの石がきに火を送り、
そのもろもろの宮殿を焼き滅ぼす」。
1:11主はこう言われる、
「エドムの三つのとが、
四つのとがのために、
わたしはこれを罰してゆるさない。
これは彼がつるぎをもってその兄弟を追い、
全くあわれみの情を断ち、
常に怒って、人をかき裂き、
ながくその憤りを保ったからである。
1:12それゆえ、わたしはテマンに火を送り、
ボズラのもろもろの宮殿を焼き滅ぼす」。
1:13主はこう言われる、
「アンモンの人々の三つのとが、
四つのとがのために、
わたしはこれを罰してゆるさない。
これは彼らがその国境を広げるために、
ギレアデのはらんでいる女を
ひき裂いたからである。
1:14それゆえ、わたしはラバの石がきに火をはなち、
そのもろもろの宮殿を焼き滅ぼす。
これは戦いの日に、ときの声をもってせられ、
つむじ風の日に、暴風をもってせられる。
1:15彼らの王はそのつかさたちと共に
捕えられて行く」と主は言われる。

第2章

2:1主はこう言われる、
「モアブの三つのとが、
四つのとがのために、
わたしはこれを罰してゆるさない。
これは彼がエドムの王の骨を焼いて
灰にしたからである。
2:2それゆえ、わたしはモアブに火を送り、
ケリオテのもろもろの宮殿を焼き滅ぼす。
モアブは騒ぎと、ときの声と、
ラッパの音の中に死ぬ。
2:3わたしはそのうちから、支配者を断ち、
そのすべてのつかさを彼と共に殺す」と
主は言われる。
2:4主はこう言われる、
「ユダの三つのとが、
四つのとがのために、
わたしはこれを罰してゆるさない。
これは彼らが主の律法を捨て、その定めを守らず、
その先祖たちが従い歩いた
偽りの物に惑わされたからである。
2:5それゆえ、わたしはユダに火を送り、
エルサレムのもろもろの宮殿を焼き滅ぼす」。
2:6主はこう言われる、
「イスラエルの三つのとが、
四つのとがのために、
わたしはこれを罰してゆるさない。
これは彼らが正しい者を金のために売り、
貧しい者をくつ一足のために売るからである。
2:7彼らは弱い者の頭を地のちりに踏みつけ、
苦しむ者の道をまげ、
また父子ともにひとりの女のところへ行って、
わが聖なる名を汚す。
2:8彼らはすべての祭壇のかたわらに
質に取った衣服を敷いて、その上に伏し、
罰金をもって得た酒を、その神の家で飲む。
2:9さきにわたしはアモリびとを
彼らの前から滅ぼした。
これはその高きこと、香柏のごとく、
その強きこと、かしの木のようであったが、
わたしはその上の実と、下の根とを滅ぼした。
2:10わたしはまた、あなたがたを
エジプトの地から連れ上り、
四十年のあいだ荒野で、あなたがたを導き、
アモリびとの地を獲させた。
2:11わたしはあなたがたの子らのうちから
預言者を起し、
あなたがたの若者のうちからナジルびとを起した。
イスラエルの人々よ、そうではないか」と
主は言われる。
2:12「ところがあなたがたはナジルびとに酒を飲ませ、
預言者に命じて『預言するな』と言う。
2:13見よ、わたしは麦束をいっぱい積んだ車が
物を圧するように、
あなたがたをその所で圧する。
2:14速く走る者も逃げ場を失い、
強い者もその力をふるうことができず、
勇士もその命を救うことができない。
2:15弓をとる者も立つことができず、
足早の者も自分を救うことができず、
馬に乗る者もその命を救うことができない。
2:16勇士のうちの雄々しい心の者も
その日には裸で逃げる」と
主は言われる。

第3章

3:1イスラエルの人々よ、
主があなたがたに向かって言われたこと、
わたしがエジプトの地から導き上った
全家に向かって言ったこの言葉を聞け。
3:2「地のもろもろのやからのうちで、
わたしはただ、あなたがただけを知った。
それゆえ、わたしはあなたがたの
もろもろの罪のため、あなたがたを罰する。
3:3ふたりの者がもし約束しなかったなら、
一緒に歩くだろうか。
3:4ししがもし獲物がなかったなら、
林の中でほえるだろうか。
若いししがもし物をつかまなかったなら、
その穴から声を出すだろうか。
3:5もしわながなかったなら、
鳥は地に張った網にかかるだろうか。
網にもし何もかからなかったなら、
地からとびあがるだろうか。
3:6町でラッパが鳴ったなら、
民は驚かないだろうか。
主がなされるのでなければ、
町に災が起るだろうか。
3:7まことに主なる神は
そのしもべである預言者にその隠れた事を
示さないでは、何事をもなされない。
3:8ししがほえる、
だれが恐れないでいられよう。
主なる神が語られる、
だれが預言しないでいられよう」。
3:9アッスリヤにあるもろもろの宮殿、
エジプトの地にあるもろもろの宮殿に宣べて言え、
「サマリヤの山々に集まり、
そのうちにある大いなる騒ぎと、
その中で行われる暴虐とを見よ」と。
3:10主は言われる、
「彼らは正義を行うことを知らず、
しえたげ取った物と奪い取った物とを
そのもろもろの宮殿にたくわえている」。
3:11それゆえ主なる神はこう言われる、
「敵がきて、この国を囲み、
あなたの防備をあなたから取り除き、
あなたのもろもろの宮殿はかすめられる」。3:12主はこう言われる、「羊飼がししの口から、羊の両足、あるいは片耳を取り返すように、サマリヤに住むイスラエルの人々も、長いすのすみや、寝台の一部を携えて救われるであろう」。
3:13万軍の神、主なる神は言われる、
「聞け、そしてヤコブの家に証言せよ。
3:14わたしはイスラエルのもろもろのとがを罰する日に
ベテルの祭壇を罰する。
その祭壇の角は折れて、地に落ちる。
3:15わたしはまた冬の家と夏の家とを撃つ、
象牙の家は滅び、大いなる家は消えうせる」と
主は言われる。


黙示録

第6章

6:1小羊がその七つの封印の一つを解いた時、わたしが見ていると、四つの生き物の一つが、雷のような声で「きたれ」と呼ぶのを聞いた。6:2そして見ていると、見よ、白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、弓を手に持っており、また冠を与えられて、勝利の上にもなお勝利を得ようとして出かけた。
6:3小羊が第二の封印を解いた時、第二の生き物が「きたれ」と言うのを、わたしは聞いた。6:4すると今度は、赤い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、人々が互に殺し合うようになるために、地上から平和を奪い取ることを許され、また、大きなつるぎを与えられた。
6:5また、第三の封印を解いた時、第三の生き物が「きたれ」と言うのを、わたしは聞いた。そこで見ていると、見よ、黒い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、はかりを手に持っていた。6:6すると、わたしは四つの生き物の間から出て来ると思われる声が、こう言うのを聞いた、「小麦一ますは一デナリ。大麦三ますも一デナリ。オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな」。
6:7小羊が第四の封印を解いた時、第四の生き物が「きたれ」と言う声を、わたしは聞いた。6:8そこで見ていると、見よ、青白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者の名は「死」と言い、それに黄泉が従っていた。彼らには、地の四分の一を支配する権威、および、つるぎと、ききんと、死と、地の獣らとによって人を殺す権威とが、与えられた。
6:9小羊が第五の封印を解いた時、神の言のゆえに、また、そのあかしを立てたために、殺された人々の霊魂が、祭壇の下にいるのを、わたしは見た。6:10彼らは大声で叫んで言った、「聖なる、まことなる主よ。いつまであなたは、さばくことをなさらず、また地に住む者に対して、わたしたちの血の報復をなさらないのですか」。6:11すると、彼らのひとりびとりに白い衣が与えられ、それから、「彼らと同じく殺されようとする僕仲間や兄弟たちの数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいるように」と言い渡された。
6:12小羊が第六の封印を解いた時、わたしが見ていると、大地震が起って、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、6:13天の星は、いちじくのまだ青い実が大風に揺られて振り落されるように、地に落ちた。6:14天は巻物が巻かれるように消えていき、すべての山と島とはその場所から移されてしまった。6:15地の王たち、高官、千卒長、富める者、勇者、奴隷、自由人らはみな、ほら穴や山の岩かげに、身をかくした。6:16そして、山と岩とにむかって言った、「さあ、われわれをおおって、御座にいますかたの御顔と小羊の怒りとから、かくまってくれ。6:17御怒りの大いなる日が、すでにきたのだ。だれが、その前に立つことができようか」。


Top